2年間もの長きに渡って歯医者通いしたときの失敗について【その③】
【その②から続き…】
ちっぽけな「男の虚栄心」により、さらなる泥沼にハマりつつある自分。
「耐える美学」と初診の日にこっそり飲んだ「鎮痛薬」のせいで、担当の女医さんは、すっかり僕の歯が死んでいると思い込んでいます。
そういえば、初診の日の評価で、こう言われました。
女医さん「3本とくに状態の悪い歯があるのね」
「1本はおそらく抜歯。1本はかろうじて残せそう。1本は、半々ね」
自分 「頑張ります」
長い戦いになりそうです。
もちろん初診の日に腹をくくって、
「1年間お世話になります!」
と、宣言したことが思い出されます。
まさか、2年になるとはね(笑)。
ところで。
皆さん、ご存知でしたか?
すぐに抜歯してしまう歯医者さんほど良心的ではないのですよ。
今の時代、なるべく削らない、なるべく抜かないが常識。
そのほうが後々のことを考えたら良いんだそう。
でも、歯科医院側の立場としては、削って、抜いてしまった方が診療報酬が高いのです。
根管治療といって、歯随や神経の奥深くまで侵入してしまった菌を殺菌する治療は、診療報酬が低いのだそう。
つまり、手間ばかりかかって金にならない根管治療をするよりも、抜歯したほうが客単価が上がり、手っ取り早く儲かる訳なんですね。
「通わなくても良い歯医者」が一般に評価されがちなのですが、実は逆なんです。
何回も通わなくてはならない、根管治療をやってくれる歯医者の方が実は、よっぽど親切なんです。
その逆だと営利目的ということになりますかね。(たぶん)
こんな話を事前に知っていたので、なおのこと僕のような重症患者に対してコツコツと根管治療を施してくれる女医先生に報いたい気持ちになったのです。
そりゃ、ほとんどキャンセルしないで通いましたよ。
人身事故で電車が止まったときなんかは、タクシーで向かいましたもん。
女医先生も本音は、よくもこんなチマチマした金にならない治療をやってくださったもんだ…。
有り難う。。
毎回、歯の神経が露出するまで深く削って、神経に抗菌剤をたらすといった作業をしたんですね。
それも一回じゃ終わらない。
仮詰めした所を次回また開けて、抗菌剤をたらすといった作業の繰り返し。
それは、虫歯菌が死滅するまで続くのです。
しかし何故だか、ただの一回も麻酔をかけてくれなかったんですね。
疑問に思い、帰宅してからカミさんにその旨聞いてみると…。
カミさん「あら、アタシ毎回、丁寧に麻酔をかけてもらうわよ」
なんと。
俺は、先生に変態だと思われているのか?
そして。
ある日、勇気を振り絞って聞いてみたんです。
自分「あの〜。これ麻酔って、いつも使ってないですよね?」
女医さん「あら?だって痛くないんでしょ?」
自分「実は、非常に痛かったのを我慢してたんです」
女医さん「え?」
もっと早く、誤解を解く努力をするべきだったのです。
女医さん「だとしたら、ひょっとしたら歯3本とも残せるかも知れないわよ!」
やはり、痛覚すら残っていないと判定されたのが全ての誤算の始まりだったのです。
その④へ続く…。