捕獲したアリの巣を観察する毎日【こんなにもアリという生き物を愛する理由④】
飼育していたカブトムシの敵討ちで、アリの巣を襲撃。
そこから意外にも、アリへの愛情が芽生えてしまった少年時代の僕。
そうなると、もうアリへの興味は尽きません。
図鑑から多くの知識を得たことで、さらに関心が高まり…。
結果、今度は毎日のようにアリを追い回す日々が始まったのです。
前回ブログからの続きとなります。
その①
その②
その③
アリの詳しい生態を知ったことで
図鑑が教えてくれたアリの世界。
それは想像をはるかに超える、興味深いものでした。
- アリは自分の体重の20倍の重さのモノまで運ぶことが出来る。
- 働きアリは、実はすべてメス。
- オスアリは体も小さく、生殖活動が済んだら、すぐに死んでしまう。
- 女王アリが複数存在する種類のアリもいる。
- コロニー(巣)ごとに匂いがあり、それで集団を識別する。
- 異なる集団どうしでは、たとえ同じ種類のアリでも戦いが起きる。
…などなど。
そして、羽根付きのアリの存在も。
羽根アリの虜になってしまう
これがクロオオアリの羽根アリの写真です。
http://sorairo-net.com/insect/ari/003.html
大きな個体が新女王アリ。
小さな個体が王アリ(オスアリ)。
クロオオアリの場合、5月頃に羽根アリが出現。
そして、巣からいっせいに飛び立ち、集団飛行をします。
早い話、空で大規模な合コンをする訳です。
そこから運良く交尾に成功出来た新女王アリだけが、自ら羽根を落として、新しい巣を一から構築するのです。
ちなみに王アリ(オスアリ)は、そこでお役御免となります。
薄命なのですね。
アリの巣を見つけては女王アリを捕獲する日々
ということは、交尾を済ましたであろう新女王アリを捕獲できれば、一から巣作りするところを観察できるハズ。
そう考えたら、もう、いても立ってもいられず、羽根アリを探し回る毎日。
もう、カブトムシやクワガタムシなんかよりも全然、興味をひく存在となっていたのです。
よく近所の空地の地面を掘り返しまくったものです(笑)。
そういえば、近所のおばさんに怒られたことがあります。
「砂ぼこりが立って仕方がないじゃないの!」
自宅でアリの巣を観察
捕まえた羽根アリたちを一か所に集めて、まじまじと観察。
ついでにお供にと、適当な数の働きアリも一緒にしたりします。
でも、人間の観察下では交尾なんかしないんですよね。
いくら待っても営巣なんて、始めやしないのです。
だから、結局は完成した巣を襲い、女王アリ以下、家来たちごと、さらってしまうことになったんですよね。
アリの巣の再構築の様子
あ~、こうやって今、ブログ書いててもワクワクするもんですね(笑)。
女王アリ以下、おそらく百匹単位のアリたちを土を敷き詰めた観察用の水槽に移します。
もちろん最初のうちは、アリたちは混乱を極め、カオス状態。
でも、きっと本能なんですよね。
時間が経ち落ち着くと、女王アリを中心として新たな巣の構築を始めだすのですよ。
兵隊アリは、しっかりと女王アリのまわりをガードしてるし。
一方、働きアリとお世話アリたちは、見事な連携プレイでみるみる新しい「住み家」を作っていくんです。
統率のとれたその様子を見ているだけでも、ぜんぜん飽きることはありませんでした。
やがて、水槽のガラス面に浮かび上がってくる、新しいアリの巣の断面。
いや、これもう『リアル・シムシティ』状態でしょ(笑)。
アリたちの巣の中での日常が、すべて見れてしまうという。
こんなに面白いものが他にあるのかって(笑)。
その⑤に続く…。
2018.6.3