クロオオアリへの復讐の先に待っていたもの【こんなにもアリという生き物を愛する理由②】
アリへの復讐心に燃える少年。
「俺の大事なカブトムシをよくもバラバラにしやがって!」
スコップ片手に一心不乱にアリの巣を掘り進めていきます。
しかし、掘っていくうちに偶然「あること」に気付くのでした。
前回ブログからの続きとなります。
アリの巣を掘り返して初めてわかったこと
それは…。
大きさや形がそれぞれ違う、幾種類ものサイズの働きアリが巣から出てきたのです。
そう。
担当する役割の違う、さまざまなタイプの働きアリが存在することを初めて知ったのです。
あの日、復讐の対象となったアリは、「クロオオアリ」という、市街地にもいる比較的ありふれた大型の種類。
しかし、クロオオアリには、おもに3種類の働きアリが存在し、成虫になってから体格によって役割分担が決まるという特徴を備えていたのです。
クロオオアリの場合
下の写真の3匹のアリ。
実は、これ皆、同じクロオオアリの働きアリなんですね。
頭部の大きさなんか、ぜんぜん違うのがお判りになるかと。
http://arinko-spot.com/hpgen/HPB/entries/2.html
クロオオアリの働きアリは、大きいものから小さいものまで、様々な大きさのものがいます。一番大きいサイズの働きアリの大きさは、なんと女王に匹敵するほ ど!その一方で、一番小さい働きアリは、女王の4分の1にも満たない小ささです。このように大きさの異なる働きアリ達がそれぞれの長所を活かしながら、巣 の切り盛りをしています。
出典:ありんこすぽっと
上の写真の働きアリたちですが、体の大きいものから順に「兵隊アリ」、「働きアリ」、「お世話アリ」と呼ばれていたものと記憶しています。
(※ただの俗称だと思います)
兵隊アリ→外敵から巣を守る用心棒役
働きアリ→巣の外という危険なエリアをエサをもとめて歩き回る
お世話アリ→基本的に巣の奥深くで、女王アリや幼虫の世話をする
ただ、これはあくまでクロオオアリでの話。
他の種類のアリでは、こういった体格差や役割分担はあまり聞きません。
たまたま掘り返したアリがクロオオアリだったから、アリの生態に興味を持ってしまったんでしょうね。
とうとう女王アリを捕捉する
そして、どんどん巣を掘り下げていきます。
一生懸命、目に涙を浮かべながら、僕はスコップで大量の土を掻き出していったのです。
気が付けば、僕の周囲には20歳くらいとおぼしき、ちょっとやんちゃな近所のお兄さんたちが不思議そうに僕を見つめているではありませんか。
そりゃそうですよね。
6歳児がひたすら必死こいて、穴掘り続けているわけですから(笑)。
お兄さんたち「ねえ僕、何掘ってんの?」
僕「べつに何でもいいじゃん!」
お兄さんたち「手伝ってあげよっか?」
僕「放っといてよ!」
今思えば、相当ムカつく子どもだったと思います(笑)。
いったい何メートル掘ったのでしょうか?
(※答えは1メートルちょっとw)
巣の本当に奥底から、ひと際デカいアリが出現しました。
これが図鑑で見た「女王アリ」というヤツか。
「ふんっ!」
哀れ「巣の主」は、ラオウのような鬼神と化した少年によって、ひと踏みで跡形もなく消えてしまったのでした。
そして、精神的拠り所をなくした巣の下僕(しもべ)たちは、宛てもなくただウロウロと虚しく歩き回るのみ…。
しかし…。
復讐を果たした僕の心には、ある意外な感情が芽生えていることに気付くのでありました。
その③へ続く…。
2018.6.2