若い人が男女ともに苦手になってしまった赤ちゃんの話
当時、大学で教壇に立ってらっしゃった、ある女性患者さんについての話。
産後の骨盤矯正コースに通われていたのですが、高齢出産というだけでなく、股関節に先天的な問題を抱えてらっしゃったこともあり、とても育児において苦労されていたことが今も記憶に残っています。
まだまだ自分が駆け出しの頃に担当させていただいたということもあって、とても印象深く記憶しているのです。
…正直言うと、少しばかり荷が重かったようにも考えたかも知れません。
でも、今振り返ってみると、「何とかして良くしてあげられたら」の一心で頑張ったことが、自己の成長に繋がったようにも感じます。
とても骨盤矯正コースの中に収まり切れないくらいの症状を抱えてらっしゃったのですね。
やはり、訴えられる症状の多くは、産後だからというよりかは、そもそもの股関節の不具合から始まっているように感じました。
気の毒だったのが、自転車で転倒されたときに肩関節を損傷して、腕が上がらない状態になってしまったこと。
育児のただ中にありながら、いわゆる四十肩を発症してしまったのです。
股関節と肩と2つの大きな不具合を抱えての育児。
こちら側が提供する施術プランとしては、産後の骨盤矯正+股関節のケア+四十肩のケアとなります。
施術時間がいくらあっても足りないくらいだったことを思い出します(´;ω;`)ウッ…。
そんなある日。
育休中だったのですが、久しぶりに職場の大学に子どもを連れて訪ねたそうなのです。
もちろん大学生たちは、普段あまりお目にかかることのない赤ん坊に興味津々。
一瞬にして教官室は、学生たちで溢れかえったそう。
しかし、これにビックリしてしまったのが赤ちゃん。
かわいそうに大泣きしてしまったそう。
突然、自分の周囲を大勢の若者に囲まれて触られまくられたのですから、驚いてしまっても無理もありません。
それ以来というもの、その赤ちゃんは若い人を見ると条件反射的に泣いてしまうようになってしまったのだとか。
きっと、トラウマになったのでしょう。
そして。
そのお話をお聞きしてから、再び治療院に来院されたときのこと。
なんと託児所で、迂闊にも、その赤ちゃんと目が合ってしまったのです。
満面の笑みで、僕にニコニコしてくれましたとさ。
33歳のある春の日の出来事。
2018.3.9