ウリ科の野菜に潜む食中毒の危険性について【そもそも野菜は有毒だったという話】
ちょっと前に、なかなか面白い記事を見つけたんです。
ウリ科の野菜に潜む食中毒の危険性について。
ズッキーニやヘチマ、ニガウリ、キュウリ、メロン、スイカといったウリ科の野菜を食用することで、中毒症状が起こることがあるのだとか。
でも、ご安心下さい。
一般に食用として流通している野菜については、その可能性はほとんどないとのことです。
どうやら、自家栽培した場合に起こることがあるのだとか。
ウリ科の野菜が毒素を持ってしまう訳とは
元記事からの引用を交えながら話を進めていきます。
まずは、ウリ科の野菜がなぜ毒素をもってしまうことがあるのか。
夏野菜が美味しい季節だが、ズッキーニなどウリ科の野菜により、嘔吐や下痢などの中毒症状を起こす危険性があるとネット上で話題になっている。ウリ科の 植物がなぜ中毒を起こすのか、原因物質には意外な秘密と可能性があった(※注意喚起の意味で書いた記事であり、生産流通しているウリ科の野菜の危険性はか なり低いことを書き添えておく)。
一部引用:
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20180809-00092446/
要は、ふつうに流通しているウリ科の野菜にはほとんど全く問題がないこと。
ただ、稀に生産農家においても栽培環境のまずさで、毒素をもつウリ科の作物が出来てしまうことがあるのだそう。
だが、連作や水やりの不足、温度変化、野生種や観賞用ヘチマなどからの花粉飛来や昆虫の受粉による交雑などの要因で、ククルビタシンを多く含むものができてしまうことが希にあるようだ。
一部引用:
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20180809-00092446/
このククルビタシンという成分。
苦味成分のもとでもあるそうですが、これが中毒症状を引き起こすのだとか。
もし、その食味にいつもにない「苦さ」を強く感じるようであれば、気を付けた方が良さそうだということ。
今年の夏のような異常高温の年は、気を付けた方が良いのかも知れません。
そもそも何故、野菜は毒素をもつものなのか?
野菜だって、そもそも動物に食べられるために生まれて来た訳ではありません。
だから野性の植物には、食害されないための毒素を含んでいるという話を聞いたことがあります。
それがきっと、天然モノの「苦味」や「えぐ味」といったものの正体なのでしょう。
私事ですが、かつて山菜の食べ過ぎで一週間にわたって、謎の下痢が続いたことがあるんです。
恥ずかしながら、そういうことだったのでしょうね(笑)。
また、草食の昆虫は、特定の植物の毒素を分解する酵素を持ち合わせているのだとか。
つまり、逆に言うと、特定の植物以外は食べられないということになりますね。
これが昆虫が「決まった種類の植物」にしか付かない理由なのです。
長い歳月をかけて食べられるように品種改良した
本来は苦味やえぐ味が強く、有毒だった植物を人間が長い時間をかけて品種改良を施して、無毒化していったのです。
こうして、やっと毒素を含まない品種が完成したんですね。
それまでは、キュウリに関しては「塩揉み」といった調理法で、毒抜きする工夫がなされてきたそうです。
だから、自然に自生する野菜を食用にする場合は、その摂取量に注意が必要となってくるのですね。
じゃないと、僕みたいに下痢する羽目になることに…。
野菜が毒素をもつようになってしまう要因
品種改良された野菜が、眠っていたはずの能力、つまりは毒素を再びもつようになる原因の多くは、ストレスだということを聞いたことがあります。
たとえば水やりや追肥をおこたったり、病害虫に食害されたり…。
身近な経験としては、シシトウガラシは肥料が足りなかったり、水やりが不足すると辛味がつよく出てしまいます。
キャベツなんかも、虫食い状態にあるものほど、筋っぽくて雑味が増すといいます。
これが完全無農薬よりも、必要最低限の農薬を使った方が野菜は美味しいと云われる所以なのです。
最後に
山菜をはじめ、タケノコ、ぎんなんなど天然の野菜には、たいてい独特の苦みがあります。
実は、これら苦味の一部は、毒素だったのですね。
だから、天然モノを頂くときには、ほどほどの量を心がけることが大事なのです。
また、一般に出回っている野菜も、かつては有毒だったものを人間が長い歳月をかけて無毒化していったもの。
ただ、昆虫の受粉による自然交配やストレスなどといった条件がそろってしまうと、ふたたび毒素を獲得してしまうことがあるから注意が必要。
特にウリ科をはじめとする、もともと「苦味の強い」野菜を自家栽培する場合は、食用するにあたって注意が必要となってくるのですね。
特に日本列島全体が異常高温に包まれた、今年の夏みたいな場合には。
2018.9.1