元ドイツ代表クラマー選手がみせた不屈のゲルマン魂【2014年ブラジルW杯決勝戦】
いよいよFIFAワールドカップ、ロシア大会が目前に迫ってきました。
日本代表だけでなく、出場する世界各国の代表メンバーが続々発表。
そのなかでも、特に世界中から注目を集めているのがドイツ代表。
ドイツといえば、言わずと知れた前回ブラジル大会の覇者。
今回も分厚い選手層がドイツ代表の充実ぶりを物語ります。
さすがの選手層の厚さです。
前回大会で選ばれた、マリオ・ゲッツェや、アンドレ・シュールレといった面々が普通に代表から外れちゃってるところが凄いです。
そんな、今回の代表メンバーから外れてしまった選手で、もう1人…。
クリストフ・クラマー選手
憶えていますか?
前回W杯で、アルゼンチンとの決勝戦で頭部を負傷したものの、応急処置を受けただけで強行出場を続けたあの選手です。
https://quasimoto.exblog.jp/22185059/
頭部に裂傷を負ってなお、不屈の闘志でピッチを走り続ける「その様」は、まさにゲルマン魂そのもの。
しかし、奮闘むなしく前半31分には、レフリーに促される形でピッチを去るのです。
ワールドカップ決勝のドイツ対アルゼンチン戦で主審を務めたイタリアのニコラ・リッツォーリ氏は、試合中に頭を打ったドイツMFクリストフ・クラマーについて、同選手が決勝を戦っていることを一時的に認識できない状態になっていたと明かした。
当初は先発が予定されていなかったクラマーだが、MFサミ・ケディラがウォームアップ中に負傷したことで急遽出場。だがアルゼンチンDFエセキエル・ガライとの競り合いで頭を打ち、一時プレーを中断した。
一旦はプレーを再開したものの、クラマーは31分にベンチに下がることを余儀なくされた。その後、同選手は脳震とうと診断されている。
リッツォーリ氏はイタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によるインタビューで、決勝でのクラマーの様子について次のように語った。
「ガライと激突した少し後、クラマーは私のところに来て、『主審、この試合は決勝ですか?』と質問してきた。彼は冗談を言っているのだと思って、質問を繰り返すように言ったが、彼は『これが本当に決勝なのかどうか知りたいんだ』と言ってきた」
「私が『そうだ』と答えると、彼は少し呆然としたような様子で、『ありがとう、それを知っておくのは大事だ』と言った。私は(バスティアン・)シュバインシュタイガーにそのことを伝え、ドイツはクラマーを交代させることになった」
壮絶な激戦となった、あの試合。
急遽、主力のケディラ選手の代役として出場することになった、クラマー選手。
若いクラマー選手が、自分ごときで貴重な交代枠をひとつ使ってしまうことを気にかけたのでしょうか?
テレビで観ていて、鳥肌が立ったことを鮮明に憶えています。
でも、ピッチ上のクラマー選手、確かに目の焦点が定まっていないようにも見えましたね。
きっと、サッカー選手としての本能だけで動いていたのでしょう。
クラマー選手のその後は、正直あまり存じ上げなかったのですが。
今回の代表メンバー発表を見て、ふと思い出してしまったのでした。
2018.6.6