高熱によって脳に深刻な後遺症が引き起こされる訳ではない事実【特にインフルを重症化させないために】
医学の定説って、あっという間に覆ってしまうんですよね。
今まで「当たり前」だと思っていたことが、そうでなくなってしまう。
今回、別の記事を書いていて偶然知ったのがコレ。
高熱によって脳に影響が出たというのは、実は間違い。
「子供の脳は大人によりも高熱に弱く、後遺症が残りやすい」というのはよく聞く話でしたけど。
どうやら、そうではないようなのです。
ただ、医療に関すること。
非常にセンシティブな話ですので、引用元を参照しながら慎重に話を進めていきましょう。
偶然知った次第なんです
多少は医療に関わる仕事をしている以上、新聞雑誌など各方面のメディアには常にアンテナを立てているつもりではあります。
特にNHKのドキュメンタリーや、新聞の医療面の記事などには、最新の医療情報がふんだんに紹介されるので貴重な情報源とさせてもらってますね。
ところで。
先日アップさせて頂いた記事で、抗生物質についての文献を漁っていたところ、たまたま今回の新しい定説を知ることとなったのです。
高熱により脳に影響がでるわけではない
たまたま拾った記事がこちら。
記事から一部引用させていただくと。
「熱が高くなりすぎると、頭がおかしくなるのではないか」と心配をする人がいるかもしれませんが、風邪で体温が上がりすぎて、頭や体がおかしくなってしまうことはありません(体温調節中枢が熱を上げているのではない熱中症の時は別です。また、脳腫瘍(しゅよう)などの体温調節中枢が正常に働いていない時も別の話です)。
人体にとって有害とされる温度は41.1-43.3度と言われていますが、私たちの体は41度を上限として、上がりすぎることを防止するメカニズムがあります。だから、「高熱により脳に影響が出た」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、それは熱が悪さをしたのではなく、ウイルスや細菌により髄膜炎や脳炎、脳症といった症状になり、発熱とともに中枢神経に炎症が及んで後遺症を残したと考えられます。そういった髄膜炎・脳炎・脳症は、風邪で高熱になった子どもを病院に連れて行かなかったせいでなったものではなく、違う病気です。
要するに、高熱によって脳がダメージを負ったわけではなく、ウイルスや細菌が引き起こした炎症によって脳に後遺症を残してしまうのだと。
子供のインフルエンザで本当に気を付けなくていけないこと
高熱といえば、まず頭に思いつくのがインフルエンザ。
恐ろしいのが、重症化させてしまい重篤な二次症状を引き起こしてしまうこと。
こちらの記事では、とくに子供のインフルエンザについて言及されています。
やはり、こちらの記事でも、こう仰ってます。
なお、インフルエンザが重症化するときは、高熱とは限りません。心筋炎などで循環不全になると、むしろ体温が低下してくることがあるので注意しましょう。
とにかく子供の症状というのは、急変しやすいのだそう。
高熱だけでなく、危険を知らせる多くのサインを見落とさないことが肝心なのだそう。
最後に
今回、本当に記事にするにあたって、ことのほか表現には注意を払ったつもりです。
一応、念のために今回ブログにおける要点を押さえておきます。
- 高熱によって直接、脳がダメージを受けるわけではない。
- 後遺症が残ってしまうのは、ウイルス細菌によって中枢神経に炎症を引き起こしてしまったため。
- しかし、そもそも高熱を発している時点で、ウイルス細菌に脳をはじめ中枢神経等への侵入を許してしまうことに注意を払わなければならない。
- 逆に、高熱がなくとも深刻な後遺症を引き起こすことがあるので注意が必要。
お子様がいらっしゃる方々へ、すこしでもお役に立てる情報となりましたら幸いです。
2018.6.8