先祖返りした野性のイノブタから見えてくるもの【ホグジラ伝説とは?】
今回は、巨大生物についてのお話です。
みなさん、ホグジラという生物をご存知でしょうか?
「巨大」というキーワードから「クジラ」を連想してしまった方は、間違い。
正解は、巨大なイノブタ。
ちなみに、イノブタとは、その名の通り、ブタとイノシシのハイブリッドのこと。
それも、人知を超えた大きさのイノブタ。
そんな、化け物みたいなイノブタがアメリカ合衆国で生息していることが報告されているのです。
そして、巨大イノブタについて掘り下げていくと見えてくるものとは、いったい?
ホグジラとは
まずは、「ホグジラ」という言葉が一躍有名になった事件から。
2004年6月17日、ジョージア州南部のリバーオーク農園の狩猟ガイド・クリス・グリフィンが、農園内での猟の帰りに巨大な動物に襲われ、猟銃で射殺したところ巨大なブタであることがわかった。その後このブタにホグジラと名前が付けられた。グリフィンは、射殺後すぐ、農園主のケン・ホリオークと 共にホグジラを焼却処分し埋葬した。グリフィンは、殺したホグジラを吊るし上げた写真を公開したが、目撃者が少なかったことや、あまりにも信じがたいほど の大きさだったために合成写真ではないかともいわれた。グリフィンによると、ホグジラは体長約3.7m、体重約500kg、牙の長さは23cmあったという。
出典:
これが実際の写真だそうです。
養豚場から逃げ出したとみられるブタが、野性のイノシシと交配。
巨大化した原因は、はっきりとはわかっていないものの、おそらくは近所にある魚の養殖場にあった特殊な配合飼料を食べたからではと言われています。
それにしてもデカい。
そうそう。
ホグジラ(Hogzilla)は、アメリカジョージア州で射殺された、巨大なイノブタ。ホグジラという名前は、英語でブタを意味する「ホッグ(Hog)」と「ゴジラ(Godzilla)」を合わせたもの。
出典:
驚異的なサイズのホグジラたち
実は、他にも海外から報告されているホグジラたち。
共通するのは、まさにゴジラ級のサイズであること。
もし、こんなのに道中出くわしてしまったら、すぐに観念しますかね(笑)。
まあ、失神するでしょうか。
ブタの先祖はイノシシ
そもそもブタは、人間がイノシシを長い時間をかけて家畜化したもの。
イノシシ自体、とても気性が荒く獰猛な生き物。
なので、伝え聞いた話によると、中世ヨーロッパでは、養豚業者が飼育していたブタに襲われてしまうことも、しばしばあったそうな。
きっと、おとなしい個体どうしを地道に掛け合わせていって、現在のブタになったのでしょう。
だから、ブタとイノシシは交配出来てしまうのですね。
最後に
ブタが野性化すると、いわゆる「先祖返り」を始めるとされています。
野性のイノシシと交配することによって、眠っていた「獰猛さ」、「かたい剛毛」といったイノシシ本来の特徴が呼び起こされるのです。
ちなみに養豚場のブタだって、もとはイノシシなので、りっぱな牙(犬歯)が生えてきます。
それを多くの場合は、生後間もない段階で抜歯してしまっているだけなのです。
野性に放たれ、イノシシと交配した結果、ブタはイノシシとしての本来の特徴を取り戻し始めます。
そして、先祖返りしたブタから、われわれ現代人は、先人たちが命懸けでイノシシからブタに品種改良していった苦労を知ることとなるのです。
まあ、よくもあんな獰猛な生き物を家畜化しようと思ったものです。
それだけ美味いということなんでしょうけど。
2018.8.26