放射能を中和させる技術が確立したという話だったが…【ロシアは果たして科学先進国であるのか?】
ちょっと昔のニュースなのですが。
もちろん、今さら感もあります。
なので、どうか肩肘を張らずに話半分でお聞き頂けたらと思います。
2015年7月17日にロシアの新聞メディアから、こんな衝撃的な見出しが発信されたのです。
放射性物質の多くは、自然界で崩壊するのに数十年、数百年、またはそれ以上の長きを要する。しかしながら、ロシア科学アカデミーA.M.プロホロフ一般物理研究所の研究グループが、わずか1時間で中性化、安全化させる方法を発見した。この新しい方法を用いて、福島の水を浄化させることも可能だと、研究者は考えている。
ソースは、こちらです。
要は、放射性物質を含んだ溶液に特殊な触媒を入れてレーザー光線を当てると、溶液中の放射性物質が直ちに中和されて「別の物質」に変わってしまうというもの。
やっぱり、そりゃ 条件反射的に「トンデモ記事」だと思いましたよ。
でも、この一報を伝えた「ロシア・ビヨンド」というメディアの存在が、そんな猜疑心を惑わせてくれちゃったんですよね。
ロシア・ビヨンドという新聞社の正体とは、いったい
こんな突飛な記事を配信するなんて、どんだけ胡散臭いメディアなんだろうと。
ちょっと、「ロシア・ビヨンド」について調べてみたんです。
「ロシア・ビヨンド・ザ・ヘッドラインズ」Russia Beyond The Headlines(RBTH)は、ロシアの今を伝える、国際マルチメディア・プロジェクトであり、ロシア連邦政府発行紙「ロシースカヤ・ガゼータ」により、2007年に立ち上げられました。その日本語版がロシアNOWです。RBTHは、ロシアの文化、風俗、社会、政治、経済、ビジネス、科学、軍事、スポーツなど、多種多様な分野におけるニュース、旬の話題を伝えるほか、長いスパンをもつ大テーマにも焦点を当てて、解説、オピニオン、分析なども提供いたします。現在、16ヶ国語で19のサイトを運営しています。
出典:ロシアNOW
ロシア政府系の新聞社だったんですね。
ロシア政府が世界に向けて、「ロシアの今」を発信しているということ?
2011年から日本語版である「ロシアNOW」も発行が始まったそうで、2011年から読売新聞とも提携しているそうです。
政府系機関誌という側面も持っているのでしょうか?
ということは、そうそういい加減な情報は記事にしないはずかと思ったのですね…。
日本での認知度はイマイチか
あの有名なBLOGOSさんでも、たま~に記事が紹介される程度なのかな。
記事一覧を見る限りでは、そこまで日本では認知されていないように思います。
このブログを読まれている皆さんのなかに、このメディアをご存知だった方っていらっしゃいますでしょうか?
すぐさま「あの教授」に全否定されてしまう
やはり、すぐさま「あの教授」が喰ってかかりましたね(笑)。
もちろん、大槻義彦氏です。
2015年7月28日付けの自身のブログで、当該記事を否定するコメントを発信されていました。
一部引用してみると…。
ロシアは『科学先進国』である。とくに物理学や数学の
分野で独特の研究成果をあげてきた。これは社会主義の成
果と言えなくもない。しかし、同時にロシアには反科学、
非科学、あるいはオカルトの類も混在する。たとえばUFO
騒ぎはロシアとメキシコが主流である。
出典:
こんな感じで完膚なきまでに、ロシアという国家ごと否定されてました(笑)。
これで淡い期待が完全に消え去りましたね。
そりゃそうですよね。
実は、一報のあと最近まで、心のどこかで「早く実現しないかな」と考えていたんですよね。
だって、処理されようのない汚染水が貯まっていくだけの現状を考えたら、もう奇跡を信じるより他ないじゃないですか。
いい加減、話が出てこないから調べてみたらところ、大槻教授のブログに辿りついたという訳なんですよ。
最後に
やはり、「核のゴミ」は現代科学をもってしても、どうにも解決しようのない問題であるようです。
そこに降ってわいたロシア科学者グループによる、「トンデモ理論」の発表。
それを配信したロシア政府系新聞社。
恥ずかしい話ですが、最近まで数年くらい間、なんとなく期待しちゃってました。
いったいロシアって国は…。
世界で初めて有人ロケットによる月面着陸を達成した国
テトリスやPCセキュリティソフトなどに代表される、世界有数のIT大国
なのに氏の言葉を借りると、
オカルト、非化学、反科学、UFOの国であると。
ロシアって国が、よくわからなくなってしまったな…。
2018.8.23