同年代の方が若年性認知症になった話から考えてしまうこと【人生で自由に使える時間って】
ちょっと身につまされる話でした…。
先日いらした女性患者さんの職場の同僚の男性が「若年性認知症」と診断されたらしいのです。
まだ、40代半ばですよ。
…だけど。
実は、僕も、女性患者さんも、その同僚の男性も、ほぼ同い年だという事実。
早過ぎやしませんか?
残酷な現実かと。
40歳を超えると、途端にあらゆる健康上のリスクが跳ね上がってくるものなのです。
同世代の患者さんとは、つい健康問題の話になりがち
おそらく30代の頃とは打って変わって、40代ともなると境遇も考え方もグルッと変わってしまうんだと思うんですよね。
親の健康問題や介護の話。
もちろん自身の健康問題についても。
健康診断でチェックする項目も格段に増えますしね。
それと男性陣は、わりと通風患っている方が多めです(笑)。
おのずと、同年代の患者さんたちとの話題は、こういったものになりがちになるんですよ。
若年性認知症について
以前、このブログで紹介させて頂いた「若年性認知症」について。
早いと30代で発症してしまう方もいらっしゃるんです。
リスクを上げてしまう要因としては、生活習慣も大きいのだそう。
「睡眠負債」なんて言葉も、いっとき話題になりましたっけね。
30代〜40代って、人生でもとりわけ公私に忙しい時期。
仕事との距離の取り方も、真剣に考えなくてはならない時期なのかも知れません。
命にかかわる病である若年性認知症
冒頭の話に出てきた、女性患者さんの同僚男性のことに話を戻します。
病気を疑う兆候が数々あったようなのですが、実際にはっきりと「若年性認知症」と診断されてしまうと、相当に落ち込んでしまったそうなんですよね。
無理もない…。
だって44歳って、自分ではまだ若いと思っているものなんですよ。
健忘症だけならともかく、これから「新しいこと」を習得することが困難になってしまうことをこの病気は意味します。
これだけでも、充分に残酷かと思うのですが。
それと。
この病気、最終的には命の問題に直結していきます。
脳細胞の破壊がすすみ、大脳だけでなく脳幹という生命維持に関わっている部位にまで病気が及ぶと、死に至るのです。
同い年だけに、その男性の心情を察すると、胸が張り裂けそうな気持ちになります。
これから40歳を迎えようとされている方々へ
親がある程度元気で、自身の健康面の不安もなく元気に毎日を過ごせる時期って、意外と短いものなんですよ。
40歳を過ぎようものなら、あらゆるしがらみとの戦いが始まるもの。
自分は、35歳過ぎたあたりから「人生折り返したな」と悟ったことを今でも憶えています。
何を始めるにも、まず健康であることが最低条件となります。
30歳前後の方で、もし毎日を無為に過ごしている方がいらっしゃったら、今すぐにでも考え方を改めるべきです。
自由に使える時間は、意外とそう長くは残されていないものなんですよ。
そろそろ人生を逆算して考えてみるタイミングなのかも知れません。
2018.8.7