素数ゼミの不思議について【セミの生存戦略と数学についての考察】
みなさん、「素数ゼミ」って、ご存知ですか?
おもに北米でみられるセミの一種で、他の一般的なセミと違い、かなりの長期間にわたって地中で暮らす特徴をもっています。
その期間が、何故かきっちり「13年」と「17年」と決まっているのです。
だから、それぞれ「13年ゼミ」と「17年ゼミ」と呼ばれています。
そんな2種類のセミを総称して「素数ゼミ」もしくは「周期ゼミ」といいます。
そして、大変困ったことに何年かぶんの数のセミが一度に大量発生してしまうのも「素数ゼミ」の特徴であるのです。
素数ゼミの生態
北米で素数ゼミが発生した年は、町中の木という木がセミで覆いつくされてしまいます。
しかし、全米で一斉に大量発生するかというと、実は、そうではないのです。
地域ごとに素数ゼミの発生する周期が微妙にずれているのですね。
地域ごとにそれぞれ、ある意味「固有種」の素数ゼミが生息していることになるかと。
毎世代正確に17年または13年で成虫になり大量発生するセミである。その間の年にはその地方では全く発生しない。ほぼ毎年どこかでは発生しているものの、全米のどこでも周期ゼミが発生しない年もある。周期年数が素数であることから素数ゼミともいう。
17年周期の17年ゼミが3種、13年周期の13年ゼミが4種いる。なお、17年ゼミと13年ゼミが共に生息する地方はほとんどない。
「13年周期」「17年周期」で生まれてくる理由
では、なぜ毎年そこそこの数で発生するより、13年、17年でまとめて発生した方が有利となるのか?
実は、今のところはっきりとした理由は解明されていないようなんです。
氷河期を生き抜くための工夫だった?
ただ、こんな仮説もあるようです。
およそ200万年前の氷河期に、寒さのせいで成長のスピードが遅くなったセミが10年以上にもわたって地中で暮らすようになった…。
そして、長い地中生活を終えて、地上で確実に交尾する相手を見つけるには、ある程度まとまった数で一斉に生まれてきた方が効率的だとする説です。
以下、参考にさせて頂いたサイトからの引用です。
静岡大学の研究チームの論文だそうです。
17年周期、13年周期で大発生!! 「素数ゼミ」の謎を日本の研究者が解明した!!セミ以外にも、多くの生き物が絶滅に追いやられた氷河期。しかし北米には、盆地や暖流のそばではあまり気温が下がらないところがあったため、そんな“避難所”でセミはかろうじて生き残りました。とはいえ、気温が圧倒的に低いので、セミは、北部では14~18年、南部では12~15年もの長い間を地中で過ごすようになりました。そんなノアの方舟のような“避難所”が北米にいくつもできました。しかし、寒い時代にやっと地上へ出たものの、交尾の相手が近くにいなければ、子孫を残すことはできません。“避難所”のような狭い範囲では、違う年にバラバラと羽化して子孫を残すよりは、同じ年に一斉に羽化して交尾・産卵して子孫を残すほうが効率的です。
こうして、北米のあちらこちらで、同じ場所に同じ種類のセミが同じ年に大発生するようになりました。
この説は、地域ごとにある程度「固有の」素数ゼミが生まれてくる理由は説明出来ています。
しかし、「素数である理由」には矛盾をはらんでいるようです。
それは、次の理由から。
おなじく、同サイトからの引用となります。
なぜ17年と13年周期なのか? 12年や15年ではダメなのか? その秘密は「最小公倍数」
こうやって、狭い範囲で一斉に発生することで生き残ったセミたち。しかし、なぜ、17年と13年という「半端」な周期のセミだけが生き残ったのでしょう。その秘密は「最小公倍数」にあります。素数同士だと、最小公倍数が素数でない数よりも大きくなるからです。
氷河期を生き延びた“避難所”のセミの周期は、当時は北部では14~18年、南部では12~15年でした。19年以上だと地中にいる期間が長すぎるので、18年が限界だったようです。
たとえばある年、種類が同じで周期だけが違う15年と18年のセミがいっしょに出て、子どもをつくったとします。15年後に15年ゼミが、18年後に18年ゼミが地上に出てみたら、ほかの周期のセミはいないので、以前よりもずいぶんと数が減ってしまっています。さらに、15年ゼミと18年ゼミで交雑すると、その子の周期はどうなるのでしょう。16年だったり17年だったりするかもしれません。このように、たまたま15年ゼミと18年ゼミが出会ってしまうと、何万年もかけてどちらのセミも数が減り、やがて絶滅してしまうのです。
15と18の最小公倍数は90です。つまり、15年と18年の場合は90年ごとに交雑する機会があります。一見すると、交雑すればするほど生き延びるような気がしますが、しかし、交雑の回数が多ければ多いほど、周期が乱れ、先に絶滅してしまうのです。
ところが、最近の研究では交雑しても、生まれて来るセミの周期がずれることがないことがわかったんだそう。
つまり、13年ゼミと17年ゼミとで交尾しても、生まれてくるセミは、13年ゼミと17年ゼミの二種だけなのだとか。
つまりは、周期が素数であろうとなかろうと関係ないという話になってくる訳なんですね。
ソースは以下の記事となります。
221年にいちど交雑のタイミングがやってきてしまう
昨年の記事からの引用となります。
おそらく最新の情報になるかと。
交雑でできた子孫は、発生周期がずれて、同じ集団内の仲間の子孫との出会いのチャンスを逃す恐れもある。だが、今回の分析から、交雑を経ても固有の周期がずれることはなく、10万~20万年にわたって維持されていた可能性が高まった。発生周期のカギを握る未知の遺伝子が関与している可能性があるという
仮に「13年」「17年」という周期が変わらなかったとしても、「221年に一度」は、どうしても、ふたつのセミが生まれて来るタイミングが一致してしまいます。
やはり交雑しない訳にはいかないんですね。
にも関わらず、「13年」と「17年」という周期が守られているのです。
まとめ
まさかの、結論に至らずじまい…。
引用元の記事でも、述べられていたとおり「素数である理由」は分からないのですね。
ムムム。
「素数ゼミ」のヤツめ、いくら数学が得意だからって、人間様が解けない問題を出すとは何事か!!
セミの分際で、生意気な!(笑)
さては、普通のセミの仲間ではないんだな?
ひょっとして、公◯式でなく、え〜っと「◯研ゼミ」の仲間だったのか?
はてなブログの方々、申し訳ありません。。
2018.7.14