ogikubojinの日記

産前産後のケアでいらっしゃっている患者さんたちとのとりとめもない話

バセドウ病を放置されていた女性患者さんのこと【女性特有の疾病についても】

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みなさん、日々の健康管理は、きちんと出来ていますか?

 

「ちょっと最近、調子が悪いんだけど…」

 

何かいつもと違う異変を感じたら、すぐに検査すること。

 そして、お医者さまから貰った薬は、きちんと飲むこと。

 

しかし、忙しさのあまり、ついつい病院から足が遠のき…。

こんな方って、多いはず。

 

今回は、そんな、かつて服薬を途中で止めてしまった女性患者さんについての話です。

 

 

ひどい疲労感を訴え来院

もう6〜7年前の話でしょうか?

 

当時、来院されていた男性患者さんから、奥様を紹介して頂きました。

 

「もともと頭痛と肩こりには悩まされていたんですが、最近とくに疲れ方が酷くて何とかならないものかと…」

 

お話をお聞きする限りでは、典型的な「自律神経のバランスの乱れ」ではないかと考えました。

肩こりや腰痛といったストレスサインが自律神経のバランスを乱してしまい、新たな症状の種を作ってしまっている状態。

 

早い話、お体が少しばかり、悪循環のループに入ってしまっているのではないのかと。

 

そうなると施術は、極力弱めの力加減で、充分に慎重を期した上で行ないます。

こういった方々は、多くの場合、普段から体が力んでしまっている傾向があり、施術で入れる圧をはね返そうとしてしまうことが多いからです。

 

施術後に繰り返してしまうリバウンド

 

しかし、あれだけ慎重を期して施術したのに、次回来院されてお話を聞いてみると「揉み返した」と仰られるのです。

そういったことが2〜3回続き、ピンと来たのです。

 

まさか…。

 

詳しくお話をお聞きして見ると、施術を受けた当日の夜には、もう悪い影響が出るのだと。

それは、筋肉痛というよりも発熱にともなうダルさなのだとか。

 

施術後にどうしても発熱をしてしまうケース

 

かつて、同じような症状を訴える患者さんを何回か、担当した経験があったのです。

その方々も、決まって施術後に発熱を伴ってしまったのですね。

 

これは単なる自律神経の失調ではないかもな。

 

僕の経験上、おそらくは甲状腺の機能障害があるのではと考えました。

いわゆるバセドウ病なのではと…。

 

バセドウ病とは、甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、甲状腺機能が亢進する病気です。
バセドウ病では特殊な「抗体」が作られ、これが甲状腺を刺激して、過剰に甲状腺ホルモンを分泌させてしまいます。
バセドウ病は男性より女性に多く、200~500人に1人くらいがかかっています

harecoco.net

 

 よくよくお聞きしたところ、やはり…

もし、その患者さんが本当にバセドウ病だとしたら、一刻も早い医療機関での適切な処置が必要となります。

しかし、充分な根拠もなく自分の経験則だけで、いきなりバセドウ病が疑われます」なんて言えないもの。

 

なので、やや遠回しに、

「ひょっとしたら、甲状腺の機能障害があるかも知れませんね」

とお伝えしてみました。

 

 

そうしたら、一瞬、顔色を変えられて、こう仰られたのです。

 

「実は、2年前にバセドウと診断されて、薬を処方されたんです」

「でも、忙しさもあり、さして重大な症状もまだ自覚してなかったので、いつの間にか通院しなくなったっきりなんです…」

 

すぐに医療機関の受診を勧めた

 

 

そのお話を聞いて、すぐにこうお答えしました。

 

「整体ではなく、すぐ明日にでも専門の医療機関を受診されるべきですよ」と。

 

バセドウ病は、まだ原因の特定に至ってなく、現代の医療では根治させることは難しい病です。

しかし、症状の進行を遅くする良い薬も、開発されています。

要は発症してから早い段階で適切な処置をすれば、十分に症状をコントロールできる時代なのです。

 

とくに女性に多くみられる疾患がある

 今回のバセドウ病についてですが、実は特別珍しい疾患という訳ではありません。

実は、200~300人に1人は、生涯で必ず発症すると言われているくらい身近な病気なのです。

 

それと、特に女性が圧倒的にかかりやすい疾患であることも、その特徴。

しかし、その原因は、はっきりわかっていませんが…。

 

余談ですが、他にも女性がとくにかかりやすい疾患はいろいろあります。

ご参考までに弊ブログを貼っときます。

 

noda-ogikubo.jp

 

最後に

われわれカイロプラクティックに従事する者は、医療については最低限の知識を持ち合わせているものです。

(逆にないのであれば失格だと思います)

 

果たして、目の前の症状がカイロプラクティックで力になることが出来るのか?

 

そうでない場合は、速やかに専門の医療機関への受診をお薦めすることになるのです。

 

それが危険を知らせるサインであるならば、なおさらなのです。

 

 

2018.5.20