ogikubojinの日記

産前産後のケアでいらっしゃっている患者さんたちとのとりとめもない話

若くして出産したことで悩まれていた、あるママさんの話

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育休中って、さまざまな職種、年齢の方々が知り合う、またとない機会が出来るもの。

 

たまたま、同じ自治体に住んでいて、出産日予定日が近かったという共通項があるだけで、母親学級で一緒となり、そして強い繋がりが生まれます。

 

広い社会のなかで、こんなことでもない限り、とても接点がなかったであろう方々が交遊関係を構築するのですから面白い。

 

 

なかには弁護士医師大学教授研究員、はたまたミュージシャンダンサーヨガの先生など。

 

考えようによっては、こんなにも多種多様な職種の方々が知り合う機会って、小中学校を除いたら人生においてそうはないのではないでしょうか?

 

やがて、お子さんの月齢が近いママどうしでグループが形成され、初めての育児における情報交換やイベント参加などで交流がすすんでいうのです。

 

そうなると、自然とグループのリーダーが出現するもの。

 

ただ面白いことに、必ずしもグループのリーダーは最年長者であるとは限らないのです。

むしろ、20代のママが積極的に行動して、グループを牽引していくといった構図が多いように見受けます。

 

 

今回、そういった最年少でありながら、ママグループのリーダーとして人望を集めていた患者さんについて。

 

 

…もう10年ほど前の話となります。

 

20代前半の若さで、すでに2人のお子さんのママであった患者Aさん

 

彼女は、とてもハキハキしていて、お子さんを叱るときも厳しく、さらにはとても利発なイメージが強く印象として残っています。

きっと彼女のそんな雰囲気が、年上のママさんたちからも人望を集めていたのでしょう。

 

若いのにほとんど隙がないイメージ。

 きっと旦那さんも、そんな彼女に頭が上がらなかったことでしょう。

 

そんな患者Aさんが来院されるようになってから、次々と同じママグループから他の患者さんも来院されるようになったのです。

有難いことに次々とママ友さんを紹介してくださったのですね。

 

他のママ友さんたちの話を総合すると、グループのリーダーは、やはり患者Aさん

なかには彼女より、15歳以上も歳の離れたママ友さんもいらっしゃいましたが。

でも、きちんと慕われているんですよね、これが。

 

そんな患者Aさん

施術回数を重ねていくうちに、すっかり慣れてきてくれたのか、いや信用してくださったのか、いろいろと僕に相談ごとをされるようになったのですね。

 

お話によると、そもそもが大学時代に妊娠が発覚して、産むことを選択。

そして、育児に専念するために退学をされたのだとか。

 

二十歳そこそこで、母として生きることが果たして、正しい選択だったのか…。

 

 成人式に出席したら、同級生とはぜんぜん話が合わなかったこと。

 

そりゃそうですよ。

二十歳で人生を決めるなんて、誰にだって難しいこと。

悩まない方が不思議というものです。

 

ただ、そんなしっかり者の患者Aさんに、そういった相談をされることが誇らしくも感じたことを今でも覚えています。

きっと、こんな弱みを見せられる人間は、他にそうはいないのだろうと。ムフフ…。

 

 

まあ僕だったら、こう考えますね。

 

思いっきり早いタイミングで産めば、お子さんの手が離れた頃でも、まだ30歳くらい。

新しいことに挑戦するには、遅くないはず。

さらには育児という経験値も、きっとアドバンテージになるはず。

 

 

または、

 

リミットギリギリのタイミングで産んで、そのまま退職してしまうパターン。

突っ走るだけ突っ走って、キャリアを積み切ったタイミングで出産、そして引退。

 

 

どちらの生き方も、充分に賢明かと思うのですよ。

 

 

もちろん、患者Aさんにもこのように説明しました。

 

そして、育児という経験値が確実に物の見方を変えてくれるであろうということも。

さらには、必ずや人生をより味わい深いものにしてくれることも。

ビジネスの世界においても、人と違った視点を持てることがきっと有利に働くでしょうし。

 

 

そういえば、患者Aさん、そろそろ育児が一段落した頃ですね。

彼女の人生のセカンドステージが、きっと輝かしいものになることを願ってやみません。

 

今も元気でやってらっしゃるのだろうか。

 

 

2018.3.31