ogikubojinの日記

産前産後のケアでいらっしゃっている患者さんたちとのとりとめもない話

スギ花粉症の薬をジェネリックに変えたら全然効かなくなった話【ジェネリック医薬品について】

 

 

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もはや「国民病」とまで言われるようになったスギ花粉症。

 

東京だと、2人に1人が罹患しているなんて話もあります。

 

かくいう自分も、その一人。

これこれ20年来のスギ花粉症患者なんですね。

 

でも、自分の場合は、運良く「よく効く薬」に出会うことが出来たので、毎年そこまで酷い症状に苦しむこと無く過ごせています。

 

だから毎年同じ薬を指定して耳鼻科に処方してもらっているんですよね。

 

しかし、数年くらい、今イチ薬が効かなかった時期があったんです。

 

それが、よく考えてみたら、ジェネリックに切り替えた時期だったという事実…。

 

 

ジェネリック医薬品とは

 

ジェネリック医薬品とは、正式には「後発医薬品」といい、その定義については以下の専門家の言葉を引用させて頂くこととします。

 

新しい医薬品を開発するためには、長い年月と莫大な費用がかかります。そのため、先発医薬品を開発した会社は、特許、再審査によってその権利と利益が守られています。
具体的には、開発してから特許権の存続期間満了まで(原則20年、最大25年) 、他の会社は同じ成分の薬を作ることができません。しかし、この期間を過ぎると、どんなにすばらしい薬でも、開発した会社の財産ではなく、国民全体の財産 と考えられるようになります。ジェネリック医薬品は、正式には「後発医薬品」と呼ばれ、特許存続期間の終了した先発医薬品と同じ有効成分を使って作られた 医薬品です。

 

出典:

ジェネリック医薬品とはなんですか? | よくあるご質問 | 日本調剤

 

同じ有効成分を含むから、効き目に違いがないんだそう。

 

もともと、薬価を下げることが目的でジェネリック医薬品という考えが生まれたんだそうです。

要は、先発メーカーが開発費を回収したら、速やかに薬価に市場原理が働くように促すことが目的と聞いています。

 

結果、薬代が下がることで、政府は医療費の削減が期待出来るということになるのです。

 

ジェネリックは本当に効き目が同じなのか?

 

しかし、実はジェネリック医薬品に対して、懐疑的な考えをもつ医療関係者が存在するのも事実なのです。

 

ジェネリック医薬品について、よくよく調べてみると、完全にその成分が同じという訳でもないようなんですね。

 

以下、専門家の記事を引用させて頂きます。

 

 

同じ成分・同じ効き目は本当か?

 

ジェネリック医薬品は先発医薬品と同じ成分が含まれ、同じ効果を持つとされていますが、実はこれには大きな落とし穴があります。ジェネリック医薬品 を製造・販売するためには、先発医薬品の持つ特許のうち、新しい物質に与えられる「物質特許」、特定の物質に対する新しい効能・効果に与えられる「用途特 許」の2つの期間が満了していなければなりません。これにより、ジェネリック医薬品は先発医薬品と「主成分」を同じにすることができます。

し かし、薬の特許にはそれ以外にも、物質の新しい製造方法に与えられる「製法特許」、薬を製剤する上での新しい工夫に与えられる「製剤特許」などがあり、前 述した2つの特許が切れたあとも、これらの特許には有効期間が残っている場合が多々あります。もし、製法特許が切れていなければ、薬のコーティング部分に 使われる添加物などを先発医薬品と同じにすることができません。また、製剤特許が切れていなければ、錠剤・カプセル・粉末などといった薬の剤形も、先発医 薬品と同じにすることができません。

例えば飲み薬の場合、同じ主成分が同じ量だけ入っていたとしても、上記の条件が変わることにより、薬が 吸収される速度や、有効成分が分解される状態が異なり、薬の作用そのものが大きく変わってしまう可能性があります。つまり、「薬が効きすぎる」または「効果が出にくい」、「副作用の出方に違いが出る」などといった差が生じてくるわけです。

では、なぜジェネリック医薬品が先発医薬品と変わらな い効果を謳っているかというと、それは「有効性の試験」において「先発品に比べ統計学的に見て差が無い」とされているからです。しかし、統計学的に は±15%の範囲を「差が無い」としているので、厳密にいえば「有効性が完全に同じ」という表現には疑問が残ります。

 

出典:

ジェネリック医薬品の正しい理解【浜松町第一クリニック】

 

つまり、主成分が同じ量だけ入っていたとしても、コーティング剤などといった添加物や副成分に違いがあることで、「薬の効き方」に差が出る場合があるというのです。

 

これが医療関係者によって、ジェネリックに対する信頼度が変わってくる理由なのだそう。

 

なぜジェネリックを選択することになったのか?

 

ここで話を戻します。

 

僕は、そもそもなぜ、信頼している花粉症薬をジェネリックに切り替えることとなったのでしょうか?

 

それは、簡単。

 

耳鼻科の医師(調剤薬局の方だったかな?)に、たまたま勧められたからです(笑)。

 

 

しかし、知らなかったですね。

次の年からも、こちらから求めなければ、自動的にジェネリックが薬局から調剤されてしまうシステムなんだということを。

 

ジェネリック医薬品調剤薬局にもメリットがある

 

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では、なぜ安価なジェネリック医薬品調剤薬局は、わざわざ勧めたがるのでしょうか?

高価な先発薬の方が、利幅が大きいかろうもの。

 

それは、「調剤報酬点数」といって、調剤にあたっての技術料が、ジェネリックは先発薬よりも高く設定されているからなんだとか。

 

www.aisei.co.jp

 

 つまり、調剤薬局にしたら、ジェネリックを推奨するほど、利幅が増えるというカラクリ。

これによって、国はジェネリック医薬品がより広く普及するように促している訳なんですね。

 

最後に

 

日本はアメリカに比べると、ものすごく安い値段で薬を購入することが出来ます。

 

それは、国民皆保険制度という理念の賜物なのかも知れません。

誰もが等しく、より良い医療を受けることが出来るよう様々な工夫が凝らされている、世界に誇る素晴らしい制度なのですね。

 

ジェネリックという考え方も、まさにその一端を担っているわけなのです。

 

でも。

 

そうは言っても、調べてみるとジェネリック医薬品は、完全に先発薬と同一成分の薬であるという訳ではないようなんですね。

薬剤師の患者さんからも、そうお聞きして驚いたことがあります。

 

 

要は、ジェネリックで問題なく代替出来る薬と、そうでない薬があるようだということ。

 

自分の場合は、「効かない」と感じたのは気持ちのせいなのかも知れません。

でも、「効かない」と感じた場合は、積極的に先発薬を指定しないと、次回以降も自動的にジェネリックを調剤されてしまいます。

 

でもね。

実際、薬局の経営のこともあるだろうから、なかなか「今回は、先発薬でお願いします!」って、言いづらいですよね(笑)。

 

2018.8.25