タコたちの暮らす街、オクトランティスとは【タコという生き物への考察③】
タコという生き物のもつ高い知性ついて、前回ブログでは紹介させて頂きました。
今回は、タコという生き物のもつ社会性について紹介させて下さい。
そう。
最近の研究によると、どうやらタコの仲間には、高いコミュニケーション能力を備えているものもいるらしいのです。
それだけなく、社会生活を送るタコまでも。
会話をするタコ
これまでタコは交尾の時以外は、単独で行動して、一切のコミュニケーションをとらない生き物だと考えられて来ました。
しかし、最近の研究でこれまでの説が覆りつつあるようなのです。
科学者の間では、タコは互いにほとんどコミュニケーションを取らないと最近まで考えられてきた。交尾のとき以外はほぼ単独行動を取るタコが、体色や体表面の凹凸、模様を変えるのは、相手に何かを伝えるというよりも、敵から身を隠すためとされていた。(参考記事:「新種の社会性タコ、研究は困難続き」)
しかし、このたび新たに撮影された映像により、マダコの仲間のコモンシドニーオクトパス(学名:Octopus tetricus) は、戦うか逃げるかを敵に合図するらしいことが明らかになった。
以下がその映像です。
まさに会話をするタコということになります。
無益な戦いを避けるために、個体どうしで意思の疎通を図っている訳なんですね。
この事実から、タコがいかにコミュニケーションを能力を備えた高度な生き物であるかが伺い知れます。
社会生活を送るタコ
今度は会話のみならず、「街」を作ってしまうほど高度な社会性を備えたタコの話。
同じく先ほどのコモンシドニーオクトパスの生態調査において、前出のデヴィッド・シール氏がタコたちの暮らす「街」を発見。
この新発見のコミュニティのことを「オクトランティス」と名付けました。
Scientists Discovered A Never-Before-Seen Octopus 'City' — And They Named It 'Octlantis'
コモンシドニーオクトパスに限らず、他のマダコの仲間も集団生活を送ることが確認されているのだとか。
やはり人間の思っている以上に、高度な知性をもつ生き物であることは、疑いようのない事実のようです。
最後に
もしタコの寿命が数年ではなく、もっと長かったら…。
一説によると、人間に取って代わって地球を支配していたなんて突飛な話もあるほど。
しかし、海の生態系においては、かなりの上位に君臨していることは確かなようです。
タコがアザラシを襲ったなんて動画も話題になりましたからね。
そんな生き物が知性だけでなく、社会性まで獲得しているのであれば、もう脅威としか言いようがありません。
ところで、タコのご先祖様は、オウムガイだと言われています。
貝の仲間ですよ、貝。
次回は、原始的な生物であるオウムガイの仲間から、いかに一足飛びに高度な生き物であるタコにまで進化出来たのか?
可能な限り、核心に迫れたらと思います。
【タコという生き物への考察④】につづく。
2018.7.2