ogikubojinの日記

産前産後のケアでいらっしゃっている患者さんたちとのとりとめもない話

男性側の育児休暇取得についての現状【オピニオン】

f:id:ogikubojin:20180507235201j:plain

 

 ここ数年の話ですが、当院にいらっしゃる患者さんのなかにも、ようやく「旦那さんが育児休暇を取った」という話をちらほらと聞くようになってきました。

 

でも、まだ本当にわずかですよ。

おそらく全体のなかで、ほんの数パーセントほどだと思います。

 

それでも確実に世の中の流れが変わってきていることを実感するのです。

気になったので、ちょっと調べてみました。

 

 

女性の社会進出をとりまく状況

 

まだまだ先進国のなかで、ずば抜けて女性の社会進出が遅れている、わが国、日本。

 

特にキャリアアップを目指す女性にとって、まず出産育児が大きな障壁となって立ちはだかってしまう現状があります。

男性に比べると、やはり、あきらかに不利な社会的状況といえるかと。

 

ようやくにして保育園不足といった問題は以前よりは改善されつつあるようですが、会社側の働く女性についての十分な理解はまだまだのよう。

 

在宅勤務や超時短勤務を採り入れる企業も増えてきたようですが、それは一部の大企業に限った話。

やはり中小企業にその余力はなく、導入にあたっては、もっと国をはじめとする行政のさらなる後押しが必要となってくるでしょう。

もちろん税金を投入する、財政的な支援でという話です。

 

男性側の育児への積極参加も不可欠

日本では、まだまだ「育児は女性の仕事」といった社会通念が強いようです。

そもそもが育児の面で女性に依存しすぎなのですね。

 

かつての日本のモデルケースは、「女性が育休明けに時短勤務を選択し、限定的な働き方をするもの」だったように思います。

しかし、最近では男性側も時短勤務を選択したり、冒頭にお話ししたように育児休暇を取得するケースが見受けられるようになってきました。

でも、男性の取得する育児休暇は、長くて半年

ほとんどが1、2ヶ月といったところではないでしょうか。

 

まあ、制度だけはあっても、実際は形骸化してしまっているといったケースがほとんど。

短くても取得出来るだけマシといった話かも知れませんね。

 

今回、参考にさせて頂いた記事

調べてみると日本という国が、いかに欧米先進国にくらべて遅れをとっているかを思い知らされました。

特に北欧の国々の先進的な制度には、つくづく驚かされます。

 

fledge.jp

一方、日本の現状を取材した記事を見てみると、その差は歴然。

もはや、日本を先進国と呼んで良いものかも、怪しい状況になってきます。

 

dual.nikkei.co.jp

やはり3.16%だったんですね。

僕の実感と、まさしく一致しちゃいました。

 

 実際の声を聞くと

仕事柄、これまで育児休暇中の女性患者さんたちから多数、お話を聞かせて頂く機会がありました。

なかには12ヶ月の育児休暇を申請しようとしたご主人を奥様が思いとどまらせたといったケースも。

結局、そのご家庭は6ヶ月の育児休暇で落ち着きましたけど(笑)。

 

一方、奥様の育児休暇が明けてから、今度はご主人が12ヶ月の育児休暇を取得したなんてケースも。

奥様が会社で働き、ご主人が自宅で家事と育児をする生活。

ちなみに、そこは奥様が弁護士されてましたけどね。

 

男性側が育児休暇制度を利用するにあたって、奥様が心配するのが収入減と、この先「昇進に響かないか」という点。

でも、今また一般的な考え方が変わって来たのでしょうか?

 

今、いちばん多いのが、産後1ヶ月の間だけご主人が育児休暇を取得するというケース。

せめて本当に厳しい時期だけ、ご主人がサポートするということなんですかね。

現状の日本だと、これが一番、現実的な選択肢になるのでしょう。

 

最後に

男性の育児休暇取得について、いろいろ考察してみた結果。

やはり、企業の側も代替の人員確保など、経費が余計にかかってしまうのは必至。

 

厳しい時代です。

どう考えても、企業側の努力だけでは、どうにもならないのが現状でしょう。

ここは必要な社会的コストであると捉えて、国が主体になって企業ないし雇用主側を財政的に支援する必要があるのではと考えます。

 

これ以上、少子高齢化が進んでしまうと、日本はさらに国際競争力を失ってしまうことになりかねません。

喫緊の課題であると、空転を繰り返している与野党国会議員の方々へ声高に叫びたいのです。

 

 

2018.5.15