車掌業務って、意外に重労働なのです【あるJR車掌さんとの思い出】
かつて中野の治療院で働いていたときのエピソード。
当時の自分と同年代くらいである、30代中盤の男性患者さん。
JRで車掌さんをされているそうで、これもまたかなりの重労働らしいのです。
車掌業務って、基本的に当直勤務が多いらしく、朝方帰宅して昼に寝るなんてことはザラ。
昼に寝たり、普通に夜に寝たり、けっこう頻繁に睡眠のタイミングが変わるらしく、僕だったらコレ、確実に睡眠障害になりますね。
※余談ですが、コンビニで深夜アルバイトをしていた頃、よく西武鉄道の若手社員さんたちが大挙して0時過ぎに夜食の買い出しにいらっしゃってたのを思い出します。
でも、その患者さんが言うには、慣れれば大丈夫なのだとか。
意外と慣れれば、人間、好きな時間に熟睡出来るようになるものだそうです。
同じような話を元CA(スチュワーデスさん)の患者さんからもお聞きしたことがありましたっけ。
車掌業務で、それよりも辛いのが「人身事故」。
やはりお聞きすると、運転士および車掌さんは皆ほとんど一回は、勤務中に人身事故に遭遇するものなのだとか。
そりゃ、そうですよね。
これだけ毎日のように、どこかで発生している訳ですから。
運転士さんのなかには、PTSDを発症してしまい、事故以降の運転業務の継続が難しくなってしまう方も多いのだとか。
さらに追い打ちをかけるように、事故に遭遇した運転士さんには、警察の事情聴取が待っているそう。
一応、事件性がないことを確認するための形式的なものだとは思うのですが、当該運転士の心理的負担はいかに…。
ところで。
実は、先ほどの車掌さん、当時の時点で(10年以上車掌として勤務して)未だ勤務中に一度も人身事故に遭遇したことがないのが自慢なんだとか。
でも、一回だけ、非番の時にたまたま乗り合わせていたJRの車両が人を轢いてしまい、結局そのときは事後処理の手伝いに動員されたそう。
…とまあ、そんな話をさせていただきながら思ったのは、やはり今どきの鉄道マンというのは、肉体的にも精神的にも、タフさを求められる仕事なんだなと。
鉄道トラブルが起きると、鬼のような形相で鉄道職員に詰め寄るモンスターユーザーっていますもんね。
いつも思うのですが、人身事故に限っていうと、鉄道会社だって乗客と同じ被害者じゃないですか。
そんな彼の当時の直近の目標は、ホノルルマラソン出場への準備だったと。
でも、準備といっても練習は一切せず、ぶっつけ本番で大会に臨むのが毎年の流儀なのだとか。
やはりタフなんだなと。
2018.3.26