「保育園ふやし隊@杉並」の初期メンバーとして活躍された患者さんの思い出
皆さん、「保育園ふやし隊@杉並」という団体をご存知でしょうか?
杉並区において、とりわけ保育園の入園状況が酷かった2013年春。
あまりに酷い状況に怒った区民有志の方々が、杉並区に団体交渉を決行。
これが2013年に勃発した、いわゆる「杉並保育園一揆」です。
このメンバーを母体に結成されたのが、冒頭に紹介した「保育園ふやし隊@杉並」
なのですね。
杉並保育園一揆が起きた2013年春の待機児童の人数は、全国で22,741人、東京都は全国最多の8,117人。杉並区では約1,800人で、この年の入園希望者の約2/3にあたる人数だった。
「保育園ふやし隊@杉並」は、一般主婦で2児の母である曽山恵理子氏が立ち上げたもの。曽山氏は以前からSNS上で、杉並区内の保育園に通う子供の親同 士の交流のコミュニティを主宰していた。そのコミュニティ上で保育園に入れないという声が盛んに上がっていたのに加え、2013年4月の保育園入園可否通 知で入園できないという通知を受けた親たちの声を受け、「保育園ふやし隊@杉並」を発足。2月18日に杉並区役所前で抗議行動を起こし、22日に集団で異 議申し立てを行った。杉並保育園一揆を受け、杉並区は保育所の定員を1年で400人増やすという緊急対策を行うと決定した。
STUDY HACKER 杉並保育園一揆より一部引用
2013年春は、団体交渉の結果、その場で杉並区に180人の増枠を確約させたそうです。
そして、素晴らしいのは、翌年以降も「保育園ふやし隊@杉並」として活動し、たびたび区に陳情をしていること。
次に続くママたちのために、次年度以降も活動してくださっているのですね。
おそらくは、ボランティアかと思うのですが、メンバーのうち、弁護士や行政書士といった法律に精通している方々が毎回、杉並区と交渉の席につくのだとか。
…と、まあ何でこんなに詳しい内部事情まで知っているのかと言うと、「保育園ふやし隊@杉並」の初期メンバーのなかに、当時うちの治療院に通われていた患者さんがいらっしゃったからなのです。
2013年春、最初の団体交渉を終えてから来院された時のことを今でも覚えています。
「ちょっと区役所まで抗議に行って、180人ぶん枠増やしてきたわ…」
なんと実力行使によって、自分の子どもも無事入園させることが出来てしまったそうなのです。
杉並区の保育園入園の一次選考で、漏れてしまっていたのですね。
その方、ご主人が自営業を営まれていたので、条件的に不利だったのでしょう。
さらにご自身も外資系企業に勤務されていたので、もし入園が叶わないとなると退社せざるを得なくなった状況であったと記憶しています。
外資って、そのへん本当にドライですから。
その後、ご主人の事業が軌道に乗ったので、ご自身は外資を退職したそうです。
しかし、ご主人の会社を手伝いながらも、多忙な日々を過ごしてらっしゃるそう。
そして、お子さんが大きくなっても、引き続き「保育園ふやし隊」としての活動に精を出しているのだとか。
後に続く方々のために無報酬の活動を続けるなんて、素晴らしいですよね。
以来、杉並区の保育行政に不満を訴える患者さんには、都度、「保育園ふやし隊@杉並」への参加を勧めることにしているのです。
2018.3.15